≪猟師としての覚悟≫
獣道や茨の道など、道なき道を何時間も歩き、足のすばやい鹿たちを追い立てる。
鉄砲で鹿を撃ちとったあとは、約80キログラムもある鹿を持って山を下る。
そして持ち帰った鹿は解体する。
想像以上に猟師とはとても根気のいる活動で、並大抵の体力、気力では務まらない。
「いのちをもらう以上、自分たちはそれほどのことをする必要があるのだ。」と繁さんは話す。
そんな繁さんの話を聞いていると、いのちを頂いて自分が生かされていることに改めて気づく。
猟師は食を学ぶ原点かもしれない。
≪猟師が好きだから≫
“自然とのふれあい”と“人との交わり”が猟師をやっていいて、好きだなと感じる瞬間。
獣道を歩き、動物や山の木々などに直接触れることで、自然を肌で感じることができ、
猟師同士の交わりの中で、誰よりも山のことを熟知している猟師の先輩方から
山の歩き方や動物のことなど、ありとあらゆることを学ぶことができる。
≪猟師になったきっかけ≫
繁さんの家は農家だ。ある日、繁さんの両親が植えた全ての苗が一晩で鹿に食べられてしまうということがあった。
そんな光景を見てどうにかしたいと思い、知り合いの猟師である久保さん(繁さんの現在の親方)に相談した。
「まあ、やってみっぺし!」と気前のいい久保さんに背中を押され、猟師の道を歩み始めた。
猟師歴40年以上の親方のもとで、繁さんは今日も山を駆け回り、日々猟師について学んでいる。
≪繁さんにとってふるさととは≫
“『自然』、『動物』と触れ合える『心のやすらぎ』です。”
小さいころから自然の中で遊んで育った繁さん。大人になった今もそれは変わらない。
猟師として山へ入り自然や動物と共に生きている。
そんな環境があるふるさとだからこそしげるさんは心のやすらぎを感じることができる。