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さんつなのこれまでとこれから
2011年3月11日
東日本大震災発生
2011年3月11日14時46分。激しい揺れと最大15メートルともいわれる大津波。
一瞬にしてまちの様子が変わりました。
死者・行方不明者の合計1042人、被災家屋は約4700戸(市全体の3割)、浸水した事業所数は約1400事業所(市全体の6割)に及ぶなど、釜石は壊滅的な被害を受けました。
何から手をつけたらいいのか分からない―
瓦礫だらけのまちで、先が見えない絶望感から救ってくれたのは、全国から集う人の力だった、と代表の伊藤は言います。
2011年5月、奇跡的に生き残った松林がある根浜海岸で清掃活動が行われました。ボランティアさん130人が一斉清掃を行い、わずか半日の作業で劇的にキレイになりました。
「その光景を見て、人の力の偉大さを感じ、また瓦礫の中でも命を繋ごうと必死に生き続けている美しい花々にも気づき、この松や花を残すのと同様に、まちも守り繋いでいかなければならないと、強く感じました。」
2012年4月1日
三陸ひとつなぎ自然学校誕生
釜石の復旧・復興のため、伊藤と柏﨑(震災直後に釜石へUターンした)は様々な活動を行いました。ボランティアと観光を組み合わせたボランティアツーリズム、遊び場を失った子どもたちの居場所づくり、青空喫茶、バザーなど、多くのボランティアさん、支援団体と共に取組みました。
そして震災から約1年後の2012年4月。伊藤、柏﨑が中心となり「三陸ひとつなぎ自然学校」を設立しました。
《これまでの活動》
■エコツアー
「ボランティアスタディツアー」
釜石に訪れる方々に対し、支援活動に観光の要素を加えたボランティアツーリズム(ボランティア活動+農業・漁業・自然体験)を実施。様々な場面で地域に暮らす方々と交流することを通して、歴史文化、郷土料理、自然など釜石の魅力を伝えてきた。
■子どもの居場所づくり事業
「さんつなクラブ」
山・川・海での自然体験や、地域の大人を先生に迎えたお菓子づくり、そば打ち体験教室など、子ども及び親子対象のプログラムを実施。
「放課後子ども教室」
震災の影響により、子どもたちがのびのび遊べる公園や空き地がほとんどないことを踏まえ、勉強とともに遊びも楽しむ「放課後子ども教室」を立ち上げた。平日の15時~18時まで開校。子どもたちにとってかけがえのない場所となっている。
■地域づくり
「にわか漁師すっぺし」
豊かな三陸の海の恩恵を受けていたものの、慢性的な人材不足が続いていた岩手の漁業。震災でさらに大きなダメージを負った漁業分野において、漁師の方々をサポートすべく土のうづくりや養殖のお手伝い、海岸の清掃などを行った。
「地域農業再生支援」
食や生きることの伝承の場として「あづまっぺ農園」を設立し、収穫までの一連の過程をスタッフ自らが学ぶとともに、子ども達の農業体験の場としても活用。
A&Fグリーン・ツーリズム実行委員会(釜石のグリーンツーリズム団体)の体験農園や、橋野地区に住む農家の方のお手伝い、一般社団法人UnitedGreenと共同で菜の花プロジェクトなども実施。
「仮設商店街・地域のにぎわいづくり」
被災直後の生活支援から「地域が主体となった地域づくり」を目指し、仮設商店街にて仮設住宅入居者、県外からのツアー参加者、ボランティアさん等の交流イベントの開催、橋野地区の産直施設「どんぐり広場」周辺のにぎわいづくりを企画した。また他団体開催のイベントのお手伝いや、外部からの支援者と地域をつなぐイベントの開催コーディネートも実施。
「地域資源見直しプロジェクト」
橋野に眠る歴史・文化的魅力や、そこに住む人々、人の動きを調査、発掘した。ツアープログラムや子どもプログラムの強化につなげるとともに、橋野地区自体のにぎわいを創出し、魅力的な場所にしていくことが目的。
2014年10月1日
三陸ひとつなぎ自然学校3年目。復興のその先へ向けて
活動が3年目に入るにあたり、私たちが今後どうあるべきか再度話し合いました。
目指すべきはどのような釜石の状態なのか?
私たちはなんのために存在しているのか?
その使命のために何をするのか?
そこで出たのが「地域のために立ち上がり、挑戦する人が多いまち」という言葉です。
震災以降、ボランティアさんとの関わりを通して、新たなチャレンジを始めた地域の方々がいます。
彼らの活動は、売上何億円とか、参加者何百人とか、そんな大規模で、目立つ活動ではありません。
しかし「来てくれる方においしい料理を提供したい」「地域の魅力を若い人に伝えたい」など、ぞれぞれの熱い思いの実現したとても素晴らしい活動です。
こうした「釜石のためになにかしたい」という活動が増えていくことが、魅力的なまちづくりにつながっていると、私たちは考えています。
三陸ひとつなぎ自然学校は、そうした地域のために新たなチャレンジを始めた「トップランナー」たちの活動を支援していきます。彼らが背中を見せることが、何かしたいと思っている人、そして将来釜石を担う子どもたちの行動のきっかけになると考えているからです。
・情報発信、
・交流できる体験プログラムの実施、
・必要な人材のコーディネートなどを通して、彼らの思いの実現を支援します。
また同時に、挑戦する釜石の人たちを、釜石内外から支えるコミュニティづくりも行います。人口減少、高齢化が進み、釜石の中だけでは釜石の挑戦は支えきれません。
魅力的な体験プログラムやツアーの提供、首都圏でもイベント実施などを通して、多くの方々が釜石を好きになり、釜石の外から釜石を支える「釜石ファン」になってほしいと考えています。
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