「生きてるだけで、めっけもんだー。」
そう話すのは、宝来館の女将である岩崎昭子さんです。
震災前まで、必要とされる宿があればそれでよかったと言います。
しかし、震災後、
「宿は必要か?」
もうやめようかと思ったそうです。
しかし、復興のため工事に来る人たちが困っていました。
女将さんはそのとき、残った建物は人に役に立つことができる。
建物を人の役に立たせてあげよう、と考えたそうです。
続けるうちに、宿がひとの情報をつくる、人の交流をつくる、地域をつくることに気づきました。
「宿業をやりたい」
女将さんはそう思いました。
ここを
「魔法がおこる宿にしたい」
人と人が出会い、繋がっていくのは魔法のように不思議なもの。
そんな魔法がおこる宿を目指しています。
女将である以上、従業員への責任、会社の責任、いろんな責任が問われます。
「関係者の方には肩身の狭い思いをさせてしまった。やれることはすべてやろう。」
決意を示すように、そう語る女将さんの目はとても真剣でした。
人は再生する力をもつ。
地域でできることを模索し、まずは動いてみる!
焦りながらでも、やってみる!!
ここに来る人、若い人たちには、今自分たちがやっていることが正しいのか、判断できる力をもって欲しい。
自分は自分の正しいと思うことをやっている。それがみんなにとって正しいとは限らないから。
故郷に生まれた使命感として、その中でどう生きていくのか、今は生き方を問われていると思う。
日本は幸いにも、識字率の高い国。
日本人には考える基本が備わっています。
それぞれが自分で話し、行動できる、そういう人になってほしい。
女将さんは宝来館という「魔法の宿」で、
ありったけの自分の生き方を語り続けています。
★2016.3.31 「新しい東北復興ビジネスコンテスト 2015・JTB 賞 記念対談」の様子が公開されました。
http://www.newtohoku.org/bcontest/resource/1459414338000/BC_doc2015/taidan/jtb_taidan.pdf
★2016.3.30 「海岸林再生navi」で岩崎昭子さんが特集されました。
http://kaiganrin.jp/news/2016/0329_1391.html